大雪となりました。
残念ながら、こうなるとグランドは使えません・・・。
雪国のチームの大変さを実感します。
さて、グランドで練習できなければどうするか?
この際、休養日と思ってゆっくり体を休める?
それとも、家でできるトレーニングをする?
シャドーピッチングや素振り、
フィジカルトレーニングやストレッチなどなど、
できることはいろいろあるかと思いますが、
今日はイメージトレーニングのご紹介をしてみたいと思います。
一つ問題です。やってみてください。
「30秒間、目をつぶってください。
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いかがでしたでしょうか?
ライオンを考えずにいられましたか?
ライオンのことは考えなかったという人はなかなか優秀です。
一般的には90%以上の人はライオンのことを考えてしまうそうです。
でも、一流のアスリートの大半はライオンのことを考えないでいられるそうです!
何故か?
単純です、彼らはライオン以外のことを明確にイメージしてしまうのです。
例えばゾウ、例えばキリン、それとも昨日の夕飯のメニュー?
なんでもいいのですが、
要するに、明確に物事をイメージする力が強い人になればなるほど、
この問題にはひっかかりにくくなります。
そして、優秀なアスリートというのは、
もれなく、この明確に物事をイメージする能力に長けた人たちなんです。
そんなイメージする能力を鍛えようとすることが、イメトレです。
イメトレと一言で言っても様々なものがありますが・・・、
現在アスリートの世界では必用不可欠なトレーニングの一つとして
認識されるようになっています。
イメージとは日本語で言えば「想像する」(想像力)ということ。
なぜイメトレが重要であると認識されているかと言えば、
想像力は状況を予測し、必用な行動を準備する要であり、
同時に緊張を低減し、自信を深める作用があること。
つまり、パフォーマンスの質を高める核心的な役割を担うことができること。
イメトレとはその想像力を強化するトレーニングそのものであること。
また、アスリートの世界で言えばイメトレは、
時間・場所・状況に関わらず、どのような設定も可能な擬似練習体験です。
脳は実際に行っていることと、イメージしていることを区別できないとされています。
同時に脳はイメージしたことを現実化しようとする特性も持っているとされています。
つまり、イメトレだけで技術的進歩を図ることも不可能ではないということです。
特にジュニア期の柔軟な脳にはそうした傾向が強いそうですので、
野球小僧の諸君にとってイメトレは大変心強いトレーニング方法になるはずです。
ただし、イメトレには落とし穴があります。
単に「こんな風になりたいな~~」という自分の願望を
漠然とイメージしているだけではイメトレにはなりません。
そういうのはイメトレではなくて、「妄想」と言います。
アメリカ・カリフォルニア大学での研究報告によれば、
こうした漫然とした妄想イメトレは現実逃避を招き、
実際の努力や挑戦への足かせとなり、結果として
逆効果になってしまうということも明らかになっているようです。
イメトレには様々な手法がありますが、
基本的に最も重要なポイントは、
「できるだけ明確に細部まで再現して行う」ということ。
息遣い、汗、日差し、風、グランドの様子、周囲の人の様子、
プレーをしている状況、設定、(決勝戦、最終回、ツーアウト満塁など)
そして細部にまで渡る自分の体の動き、などなど・・・
(必用に応じてスローモーションなどスピードもコントロール)
イメトレのやり方としては、
①その材料となる「記憶」をまず増やすこと
イメージは自分が持っている記憶の倉庫から
様々なパーツを組み合わせて創り上げるものです。
つまり、その材料が少なければ鮮明で豊かなイメージを作ることはできません。
野球の場合で言えば、より良いイメトレをするには、
より良いお手本となるようなプレー自体を
できるだけたくさん「見て記憶していること」が重要になるわけです。
高いレベルで記憶するためには、ただ「見る」だけでなく、
もう一つ、そこに「体の動き」が伴うと非常に有効なんだそうです。
好きな野球選手の真似をするのは誰しもやることだと思いますが、
まさにそうした「真似する」ことが非常に役に立つということです。
幸い現在はインターネットなどの便利な道具もたくさんありますので、
様々な選手のプレーを「見る」ことはいくらでも可能だと思います。
また、野球に限らず、様々なスポーツ選手の動きなども見て、真似ておけば、
体の使い方などを鮮明にイメージする上で役に立つはずです。
同様に野球以外の様々なスポーツの体験も
自らのイメージの引き出しを増やすには大変有効なことになるわけです。
ちなみに、記憶のレベルを高めるのに体の動きを使うというのは、
学校の勉強をする上でも全く同じだそうです。
漢字は「書いて」覚えますよね、読んでいるだけではなかなか覚えられません。
暗記ものの学習にはなにかしら体の動きを添えてやることがコツなんだそうですよ。
②主観と客観イメトレを使い分ける
イメトレには大きく分けて2つの方法があるそうです。
一つはあたかも自分自身がプレーしているところをイメージするもの(主観イメージ)
もう一つは、映画やテレビの映像に写っているように
外から自分を見つめているところをイメージするもの(客観イメージ)
実際のイメトレでは、
「主観イメージ」を中心にしつつ、
ミスを振り返るような時、「客観イメージ」を使うといいようです。
脳は実際の行動とイメージとを区別することはできず、
また、思ったことを実現しようとする特性があると前述しました。
悪い予感が的中するのは、自ら考えたイメージを無意識のうちに
自らが引き寄せるように行動してしまっている場合がほとんどなのだそうです。
例えば、試合で失敗してしまったことを、試合後に反省するのは良いことですが、
それを上記の主観イメージで再現してしまった場合、
その悪いイメージが頭の中で定着しかねないリスクが出てくるわけです。
優秀な選手によく見られる話しですが、
「失敗したことは忘れる」
失敗しても「よし、次うまくいく準備が整ったぞ」と思う、
などという考え方をしていることが多いと聞きます。
それは結果として悪いイメージを脳に残さない、定着させない方法でもあるわけです。
逆に真面目な選手が考えすぎてドツボにはまるというのも良くある話しです。
これは失敗のイメージを必要以上に脳に定着させてしまった影響と言えます。
でも、ミスの原因をそのままにしておけば、
やはりまた同じミスを繰り返してしまう危険性は残る。
そんな時に有効なのが「客観イメージ」です。
ミスをしてしまった状況を第三者、あたかも解説者のような立場で(客観)
言ってみれば「他人事」にして振り返るわけです。
こうすれば脳への悪いイメージの定着は最小限に抑えられる。
逆に良いイメージを再現するのであれば、
できるだけそのプレーを「今、自分がやっていることのように」(主観)
鮮明にイメージして行うことで、
脳に自分にそのようなプレーができるという錯覚をおこさせる。
冒頭で紹介したような細部にまで鮮明に描くイメトレは
この主観イメージで行うイメトレのことになります。
客観イメージの場合は、周辺の細かな描写はカットし、
スポットを当てたい部分(ミスしたプレー)だけを切り取る、
まさにスポーツニュースの一コマのようにイメージします。
イメトレはいつでも、どんな場所でもできます。
また、集中力を高めるトレーニングとしても大いに効果が期待できます。
意識的に集中力をコントロールできるようになれば、
アスリートにとって最も望ましい
「フロー」「ゾーン」という状態を自ら作り出せるようになる可能性も出てきます。
(フロー・ゾーンについてはまたは別の機会に・・・)
まずは、1日5分、
寝る前、お風呂などリラックスできる時間を決めて
イメトレを習慣づけてみてはいかがでしょうか?
いつか大きな花が咲くかもしれませんよ!
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何も咲かない寒い日は
下へ下へと根を伸ばせ
やがて大きな花が咲く
~高橋尚子さんの座右の銘
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